記憶に残る新聞コラム
前回は日本経済新聞の「私の履歴書」について、今年の8月から10月にかけて掲載された3氏の記事を参照したが、今回以降は肩が凝らないコラムで記憶に残っているものを紹介したい。
先ずは私のビジネスフィールドで一番大切にしなければならない“顧客満足”についてのこと。
10年くらい前と思うが、月尾 嘉男さん(東京大学名誉教授)のコラムから、身の回りのちょっとした事例で “カスタマーファースト”を教えていただいた。
スポーツ欄に載った小さな囲み記事、そのコピーを長らくとってあったが今は見つからない。そこには、彼のゴルフプレー時の体験が書かれていた。
そこには“顧客第一主義”とかの文言は一切ないが、ゴルフ場の都合を優先するのではなく、顧客の利便性に心配りしたらどうかという強い主張が感じられ、その通りだなと印象に残った。多くのゴルフ場関係者もこの記事を読んでいたはずだが、タオルの件は今も変わってはいない。
ゴルフ場に限らず、日本では「禁止」という規制が多い。その理由を訊いてみてもはっきりした答えが返ってくることはあまりないのではないか。
海外で問題にされていないことが日本ではNGになっていることも多い。「禁止」の理由を日本人にだけでなく、異なる文化的背景をもつ人々にもはっきりと示せないようでは心もとない限りである。
二度づけ禁止は分かるが、それ以外は??
次は、福岡 伸一さん(青山学院大学教授)の「なくしたピースの請求法に感心」という記事だ。
「やのまん」というパズルメーカーでは、無くしたピースを無料で提供してくれるという。
私も昔はよくジグソーパズルを楽しんだが、同氏が書かれているようなピースの紛失というのは経験したことがないので、このことは全く知らなかったし、考えたこともなかった。
本当だとすると素晴らしいアフターサ−ビスではないか !! といたく感心し、この記事を取っておいた。
http://www.yanoman.co.jp/contact/request.html
これはパズルメーカーとしては小さなサ−ビスかもしれないが、最後のピースが見つからずに根気と努力の集大成があと一歩のところで成就できないパズルファンにとっては、感謝感激雨あられのサ−ビスだろう。
大上段に構えてもなかなか実行に移せない“顧客満足向上”施策だが、ちょっとした心遣いからでも始められる例だ。むしろ、そうした気遣いが満足感のあるもてなしの原点かと感じた記事であった。
気が付いたら、新聞の切り抜きが結構溜まっていた。
このブログを書くに当たって整理してみたら、なぜこんなものをスクラップしていたのか意味不明のものも多くあり、お蔭で断捨離に成功。
次回以降は、断捨離できなかった記事について紹介してみたい。